さて、今朝起きてみるとyahooニュースにおもしろい記事がありました。
岐阜県のとある女性ブロガーが鈴鹿山地の御在所岳に登って遭難、そして助けを求めた所やってきた警察にひどい対応をとられ「何様!?」と発言したコトがネット民の目につき、炎上の的になったというもの。
・山登りをする事になった地図・コンパス不携帯の女性
・下山中にルートを誤り救助を呼ぶ
・実際に駆けつけてきてくれたのはロープウェイ職員
・後に駆けつけてきた警察官に「だから単独で登山するとこうゆうことになるんだ」など言われる
・その後警察署にて口論
・ブログに3303文字もの長文で警察に対しての愚痴を公開してしまう。
これがネットで炎上の種になってしまったという訳ですね。恐ろしい。
また、愚痴文の上にロープウェイ職員さんに対して異常な感謝の気持ちを書き記している点から、警察への愚痴を強調したかったのだと思われます。
まず第一に、コンパスはともかく地図を持たないで登山に向かうというのが常識では考えられません。
ましてや単独で、下山ルートも決めていないというのがおかしいですね。
持って居なかった理由は完全に御在所をナメていたとしか思えません。
御在所は1,238mの中級者が登るような山です。ルートもしっかりしていてさほど難しい場所でもありません。
また知名度が抜群で、実質鈴鹿山地のメインの山となっている所です。
週末になると大勢の人が登山に訪れる為、皆が登ってるから大丈夫という気の緩みがあったに違いありません。
というかなぜ携帯のGPSを使わなかったのでしょう。
今は携帯アプリで高原地図や国土地理院の地図でログをとることもできます。
そういった知識すらなかったということになります。
迷った所
迷った場所はブログの内容から、迷った場所は中道のキレットという場所。ここは温泉登山口から御在所岳山頂のちょうど中間に位置するちょっとした難所です。
このごつごつした岩肌のちょうど中央付近が登山ルートになっていますが、ぱっと見登山ルートと気づきますか?
実際行けば、ちゃんと道をわかっていればこれがルートである事はわかるのですが、
下山の疲労ピーク時に女性は気づかなかったと思われます。
難所といっても、アルプスにあるようなキレットとは違い、小さな岩場といった感じです。
おそらく湯の山登山口に帰る途中、この岩場が登山道になってると気付かずに横の道にそれたと思われます。
中道ルートと書かれていたので、一般的には湯の山に降りていくと思われるので、キレットの南側を下っていたのではないでしょうか。
御在所岳は奇岩の景観で知られるように、岩肌でごつごつした山で登山道をはずれると崖になっていたりとても危険です。
また鈴鹿山地自体も遭難が絶えない山域です。
以前僕も御在所付近で遭難者を救助した
数年前、御在所から鎌ヶ岳を縦走し温泉へ下山中に写真のあたりで遭難した女性を発見し、一緒に下山したという経験があります。
地図で確認すればルートはあっていたのですが、その女性はパーティーとはぐれ今回の御在所遭難事件と同じようにルートがないと勘違いし、全く違う谷へ降りようとしていたその時でした。
「道が分からなくて体力ももう限界なんです助けてください」
そう言われ、僕と弟が1本ずつ使っていたストックを女性に渡し、3人で下山しました。
通常の3~4倍の時間をかけてゆっくり下山したのですが、その女性も地図もコンパスも持っておりませんでした。
遭難した本人は、体力的にも限界が近く、帰り方の分からない不安でとても焦っています。
通報というのは最後の手段であり、それを頼らなければ自分の命があぶないという状況な訳で、
交通事故と同じように自分で遭難しようとした訳ではありません。
その人に対し、
「警察はただでさえ人手が足りていないのに、山に登って遭難した人間から110番通報があると夜勤明けでもなんでも行かなけれないけない。こっちは命懸けなんだ。警察をタクシー代わりに使うな。」
といった言葉をかけるのはどうなんでしょう。
その辺の家に人に危害のない空き巣が入るのと、山で人が事故で死ぬのとどっちが優先でしょう。
市民を助けるのが警察の役割であり、こういった態度は女性を怒らせても仕方がないといった所です。
ネットの必要以上の叩き
今回の事件を大きくさせたのはネットの炎上が原因ですが、
インターネットでの心無い誹謗中傷もあまりにもひどいものでした。
山に二度と登るな!警察をなんだと思っている!
言い方も皮肉的で、感情的なものばかり。
その結果女性はTwitterを削除し、ブログに鍵を掛けて逃げてしまいました。
こういった誹謗中傷は誰が得する訳でもないので、必要以上の批判はするべきではないと思います。
まとめ
・本人も地図もなしに登山した事は悪いが、御在所は有名な山なので地図なしでもいけるっちゃ行けると勘違いしてしまった。
・警察は人を助けるのも仕事なのにそれを面倒くさがり、女性に対し無愛想な職務を行った
・インターネットで山の事も知らないような人まで、感情的に女性をバッシングしてしまった。
とても興味深いニュースでした。
ブログなどでは性格の悪さは表に出すものではありませんね笑